採用広告費を半減。社労士診断認証マークがもたらす信頼の力。
求人サイトに高い掲載料を払って広告を出しても、期待したほど応募が集まらない。やっと面接に来てくれて採用が決まっても、入社後に他社へ流れて辞退されてしまう。または、入社しても数ヶ月で退職してしまう。そんなもどかしい思いを抱えている経営者や人事担当者の方は多いのではないでしょうか。新しい仲間を迎え入れて事業を拡大したい、あるいは現場の負担を減らしたいと願っているのに、採用活動にかかるお金ばかりが毎月のように飛んでいくのは、経営的にも精神的にも本当に苦しい状況です。
この記事では、そんな採用の悩みを抱える中小企業の皆さまへ、高額な採用広告費に頼る労力とコストを減らし、自社に合った人材を惹きつける考え方をお伝えします。その手立てとなるのが、全国社会保険労務士会連合会が推進する社労士診断認証マークです。このマークを取得して会社の労働環境が適正であることを社会に発信するだけで、求職者からの見え方は大きく変わります。この記事を読むことで、社労士診断認証制度の仕組みや、それがなぜ求職者の心を動かし採用活動の助けになるのかをご理解いただけます。人を大切にする仕組みを作り、会社をもう一段階成長させたいと願う経営者の皆さまは、ぜひ最後までお読みください。
高額な採用広告費に頼らず、社労士診断認証マークを取得して求職者からの信頼を得ることで、自社に合った人材を惹きつける方法を解説します。
求職者の不安を解消する「社会的証明」としての認証マーク
近年、世の中の働き方に対する価値観は私たちが思っている以上のスピードで変わりました。求職者が会社を比較検討するとき、単に毎月もらえる給与の額面だけでなく、有給休暇は取りやすいか、残業は多すぎないかといった、心身ともに健康で長く働き続けられる環境かどうかを非常に厳しく見ています。どんなに魅力的な事業のビジョンを語り、目を引く写真を求人票に載せたとしても、インターネット上で簡単に企業の評判や口コミが検索できる今の時代では、入社後の働き方に少しでも不安を感じれば、求職者はそっとスマートフォンの画面を閉じてしまいます。
ここで求職者の背中を押すのが、心理学において社会的証明と呼ばれる心の働きです。人は、自分一人の知識や情報だけで大きな決断を下すことに迷いや不安を覚えたとき、専門家や公的機関といった第三者の客観的な評価を信じることで、その不安を消そうとします。
この心理をふまえたとき、採用活動の大きな助けとなるのが社労士診断認証制度です。この制度は、労働に関する法律と実務の専門家である社会保険労務士が、その会社の就業規則の内容や労働時間の管理、社会保険の加入状況などを直接確認し、国の基準に沿った適正な職場環境が整っていることを認証する仕組みです。会社自身が自社の求人サイトで働きやすい職場ですと発信するよりも、労務のプロフェッショナルによる確認を経た社労士診断認証マークが一つ掲載されているほうが、求職者の脳は直感的にこの会社は嘘をついていないと認識します。このマークは、目には見えない労働環境の健全さを形にして見せる証明書として機能します。求職者が心の奥底で抱えている入社して後悔したらどうしようという警戒心を自然に解きほぐすことで、結果として求人への応募率が高まり、高額な掲載料を払って広告を出し続けなくても自然と人が集まる流れを作ることができます。
マーク取得のプロセスが組織の土台を強くする
ただし、この制度を利用してマークを取得することは、単に採用活動の見た目を良くして人を集めるための小手先のテクニックではありません。現場の実務という観点から見つめ直すと、認証の取得を目指して動くプロセスそのものが、会社の組織としての土台を強くする絶好の機会に変わります。たとえば、日々の業務に追われてなんとなく後回しになっていた昔のままの就業規則や、担当者の感覚に頼っていた残業代の計算方法など、初めて人を雇ったときから少しずつ積み重なってきた労務の課題があるはずです。経営者が一人で抱え込んでしまいがちなこれらの課題を、社会保険労務士という外部の伴走者と一緒に一つひとつ丁寧に点検し、最新の法律に合わせて整備していくことができます。
また、社労士診断認証制度には、企業が自ら職場の改善を誓って宣言する職場環境改善宣言企業という入り口の段階から始まり、専門家が書類等を確認する経営労務診断実施企業、そしてより高い基準をクリアしていることを示す経営労務診断適合企業と、無理なく進められる段階が設けられています。最初から大手企業のような完璧な制度を目指す必要はまったくありません。今の会社の体力や状況に合わせて、できるところから少しずつステップアップしていける仕組みになっています。
ここで経営者として忘れてはいけない注意点があります。それは、実態の伴わない表面的な数字や書類の辻褄合わせでマークを取得しても、会社を良くする根本的な解決にはならないということです。脳科学の観点からも、人は言葉で言っていることと実際の行動との間にある矛盾に対して、無意識のうちに強いストレスを感じるようにできています。仮に認証マークの力で優秀な人材が入社してきてくれたとしても、実際の職場がギスギスしていたり、約束した労働条件が守られていなかったりすれば、新入社員はすぐにその矛盾に気づいて会社を去ってしまいます。一番求められるのは、今まさに現場で汗を流して働いている従業員たちの声をしっかりと拾い上げ、本気で働きやすい職場を作っていくという経営者自身の覚悟です。この認証制度への挑戦をきっかけにして、社内の風通しを良くし、従業員が自分の会社に誇りを持って働ける環境を整えること。それが結果として仕事の質を高め、会社の業績を押し上げ、その良い評判が巡り巡ってさらに魅力的な人材を引き寄せるという好循環を生み出します。
実務で確認したいポイント
- 現在の労務管理の健康診断を実施する:まずは自社の就業規則が現在の法律に合っているか、従業員と結んでいる労働条件通知書に漏れがないかなど、基本的な労務管理の状況を振り返ってみてください。日々の働き方のルールを明確にすることがすべての土台になります。
- 認証制度の段階と内容を知る:全国社会保険労務士会連合会のウェブサイトなどで、社労士診断認証制度にどのような段階があり、それぞれの認証を受けるためにどのような項目がチェックされるのかを大まかに把握しておきましょう。最初に取り組むべき目標がはっきりと見えてきます。
- 専門家に現状の課題を打ち明ける:経営者一人で抱え込まず、普段お付き合いのある社会保険労務士に相談してみてください。マーク取得を目指したいと伝えることで、現状の課題の洗い出しから改善に向けた具体的なスケジュールまで、会社の事情に寄り添って一緒に伴走してもらうことができます。
まとめ
採用広告費をかけ続ける終わりのない消耗戦から抜け出すための第一歩は、会社の内部にある労務環境をしっかりと整え、それを求職者へ誠実に伝えていくことです。社労士診断認証マークは、貴社が従業員を大切にする会社であることを言葉以上に力強く証明してくれます。このマークの取得をきっかけにして、求職者だけでなく今働いている従業員からもさらに信頼される会社づくりを進めてみませんか。人が定着し安心して働ける環境こそが、会社の未来を切り拓く大きな力になります。まずは現状の労務管理を見直すことから、少しずつ一緒に歩みを進めていきましょう。
社会保険労務士 吉良山美由紀
参考・情報源
全国社会保険労務士会連合会 社労士診断認証制度 公式ウェブサイト
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