有給休暇の基本ルールと5日取得義務を経営者が守るコツ
はじめて従業員を雇った社長さんから「パートさんにも有給って出さなきゃいけないの?」と聞かれることがあります。実は、有給休暇は正社員だけの特権ではありません。
慣れないうちは「忙しい時期に休まれたら困る」「本人が言ってこないならいいか」と考えてしまいがちですが、管理を後回しにすると、思わぬトラブルや法律違反につながる恐れがあります。
この記事を読めば、有給休暇の正しい仕組みと、社長が最低限守るべき管理のポイントがわかります。会社を健やかに成長させるための第一歩として、一緒に確認していきましょう。
目次
- 有給休暇はパートさんやアルバイトさんにも発生します
- 社長が把握しておくべき「いつ、だれに、何日」
- 本人の希望通りに休ませるのが法律の基本です
- 年5日の取得義務は「会社が動く」必要があります
- 現場の混乱を防ぐためのルール作りと運用
- まとめ
- 有給休暇はパートさんやアルバイトさんにも発生します
1.有給休暇はパートさんやアルバイトさんにも発生します
有給休暇は、一定の期間継続して働いていて、決められた出勤日の8割以上出勤している全ての労働者に与えられる権利です。
「パートだから有給はない」という思い込みは非常に危険です。正社員と比べて働く日数が少なくても、その日数に応じた有給休暇(比例付与といいます)を法律通りに与える必要があります。
2.社長が把握しておくべき「いつ、だれに、何日」
有給休暇は、従業員から言われたときだけ考えればよいものではありません。会社には「年次有給休暇管理簿」を作成し、保存する義務があります。
[管理すべき3つの項目]
・いつ有給が付与されたか(基準日)
・何日分、有給が残っているか(残日数)
・実際にいつ、何日間休んだか(取得実績)
これらが一覧でわかるようにしておかないと、誰が何日休めるのかが曖昧になり、後から「計算が違う」といった不満の原因になります。
3.本人の希望通りに休ませるのが法律の基本です
有給休暇は、従業員が「この日に休みたい」と指定した日に取らせるのが原則です。
脳科学の視点から見ても、自分で休みをコントロールできる感覚は、仕事のモチベーションやメンタルヘルスに大きく影響します。「休ませてあげる」という感覚ではなく、「リフレッシュして元気に戻ってきてもらう」という伴走の姿勢が、従業員のエンゲージメント(会社への愛着)を高めます。
もちろん、どうしてもその日に休まれると仕事が回らない場合には、時期をずらしてもらう「時季変更権」という権利が会社にもありますが、これはあくまで「例外」です。安易に「忙しいからダメ」と断り続けるのは避けましょう。
4.年5日の取得義務は「会社が動く」必要があります
現在、年に10日以上の有給休暇が付与される従業員に対しては、会社が確実に「年5日」は休ませなければならないというルールがあります。
本人が自分から「休みます」と言ってこない場合でも、会社から「そろそろ5日分取ろうか」と声をかけて、時期を決めてあげないといけません。これは攻めの経営においても大切です。計画的に休める仕組みがある会社は、採用でも選ばれる強い組織になります。
5.現場の混乱を防ぐためのルール作りと運用
制度を整えるだけでなく、実際の使い勝手を決めておくことが重要です。以下の項目を就業規則などで明確にしておきましょう。
[運用の決め方]
- 申請は何日前までに、誰に出すかを決める
- 半日単位や時間単位で取得できるようにするか検討する
- 給与計算で「有給分」をどう処理するか事務の流れを確認する
ルールが曖昧だと、特定の部署に負担が偏ったり、直前の欠勤で現場が混乱したりします。運用方法までセットで整えておくことが、社長自身の安心につながります。
6.まとめ
・有給休暇は正社員だけでなくパートやアルバイトにも発生する
・会社は「誰が何日持っているか」を常に把握しておく必要がある
・年10日以上付与される人には、会社から働きかけて年5日休ませる
有給休暇の管理は、慣れるまでは煩雑に感じるかもしれません。しかし、ここを丁寧に行うことは「従業員を大切にする」という姿勢を形に示す絶好の機会でもあります。
もし「自分の会社の管理方法で大丈夫かな?」「パートさんの日数の数え方がわからない」と不安を感じられたら、ぜひ一度私たちにご相談ください。
情報源
・厚生労働省:年次有給休暇の時季指定義務
・厚生労働省:パートタイム労働者などへの年次有給休暇の付与について
・ことほぎ社会保険労務士法人 監修実務資料
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